松岡正剛 [2000] 知の編集術

本書は千夜千冊で有名な著者の「編集工学」の入門書だ。

●編集とは(p.75)
編纂(compile):
すでに存在する情報同士の相互関係を定義することである。つまり、情報の要約、集束に相当する。

編集(edit):
特定の情報を素材として、自由に他の新しい情報とを関連付けることである。つまり、情報の連想、発散に相当する。


●情報の地と図をつくる(p.28)、情報の分子と分母(p.117)
情報は、「地」と「図」の二つに分けられる。「地」の情報は、コンテキストに相当し、「図」の情報とは、コンテンツに相当する。情報を課題(issue)としてとらえる際には、コンテンツ(例えば、地球温暖化)だけでなく、コンテキスト(例えば、IPCCの虚偽報告)も考慮する必要があるのだ。


●具体的な方法
エディッティング・モードとして著者は以下の6つをあげている。
1) ストーリー性を生かしたダイジェストによる「重点化モード」
2) 論旨のアウトライン(骨組み)だけに焦点を当てた「輪郭化モード」
3) 一枚ないしは二、三枚の図にしてしまう「図解化モード」
4) 論旨の背景となっている考え方との関係を組み込んだ「構造化モード」
5) 別のメディアに変換するための「脚本化モード」
6) ニュースとしてつたえる目的をもった「報道化モード」

また、困ったときのチェックリストとして、具体的な編集技法として64の方法が挙げられている。(p.158)


●学んだことのまとめ
情報を編集・編纂する際には、情報の地(コンテキスト)、と図(コンテンツ)の両方を考慮しなければならない。