小売業の変化になぞらえた新聞社の業態の変化

小売業はかつて,(1) 生産 → (2) 卸 → (3) 小売というサプライチェーンに組み込まれていた.現在は中間の「卸」を飛ばして,生産業者と直接結びついて流通にかかるコストを抑えるといった取り組みがなされている.PB (Private Brand)商品などがその例だ.

新聞社の業態を先ほどの順番に当てはめると,(1) 取材・編集 → (2) 印刷・配送 → (3) 販売となる.新聞社は(1),(2)までを,テレビ局は(1)から(3)までを担当する.ここで注目したいのは,共同通信社など,ニュースを生産して卸に販売する(小売りは行っていない)業態だ.(2),(3)の部分がインターネットによって代替されつつある今日,消費者への直接の発信手段がないことがwebへの移行をスムーズにさせるのではないだろうか.質の良い取材ができる人材と,自分の強みに特化した人のスリムなネットワークを持つことがその条件だ.例えば,共同通信社は社員数1,700人,朝日新聞社は5,499人だ.人材の質は同じだとしても,規模の小ささは変化への適応にプラスと働くだろう.

だが,すでにロイターは(http://jp.reuters.com/)というサイトで情報を発信している.最近は,ここのニュースをRSS配信で見るだけで事足りるようになってしまった.