コミュニケーションにおける伝え手の技術曲線

期待される情報伝達の効果と聞き手の共有している背景知識との関係のグラフにおいて,伝え手の技術曲線を描いたものを図1に示す.


図1


情報伝達には
1.事実を伝える
2.主張を納得してもらう
3.説得して行動に移してもらう
という3つの段階がある.ここでいう期待される情報伝達は1.の「事実」のみを対象としている.

何かを伝える際には,聞き手の背景知識と,期待される情報伝達の効果は与えられる.その交点が伝え手の技術曲線よりも下にあれば,問題なく情報を伝達できる.(何の準備をしなくても伝達できる)だが,図2のように,期待成果と聞き手のレベルの交点が伝え手の技術よりも上にある場合,方法を慎重に練らないと,情報をうまく伝えることができない.そして,コミュニケーションにおいては,こういった状況が頻繁に起こる.


図2

方法を練る際によく生じる問題は以下の3つが考えられる.
・目的が明確でない
・聞き手の背景知識が明確でない(伝え手が意識してない)
・自分の技術とのギャップを埋める適切な方法がとられていない

プレゼンでは主にその技術にばかり目が行きがちだが,聞き手の「?」をなくすためには,
・目的を明確化する
・聞き手の持つ背景知識を明らかにする
・適切な方法を用いる(プレゼンの技術)
の3つをともに意識することが大切だ.