博士課程に進む理由−影響を受けたもの

後で振り返る為に,2009年1月15日(阪神大震災が起こった1月17日の2日前だ。)に,自分の今後5年のキャリアに影響を与えたであろうブログのエントリーをまとめておこう。

そもそも日本にいるときは海外の大学院に進学することなど少しも考えなかった。8月からインターン生として働き始めて,10月ごろに梅田望夫さんのweb上の記事をひたすら読み,姑息にブログに記事を書きつづけ,ご本人からブックマークしてもらったことで喜んでいた1週間の後,海外で学ぶこと,海外で働くことについて真剣に考え始めた。インターンが直接のきっかけにならなかったことがまたおもしろい。


若者はバンテージポイント(有利な場所)でキャリアを磨け
専門教育に関して悩まれている人へ贈る言葉

時期は異なるが,この二つのエントリーを読んで,海外で働くこと,海外で学ぶことの優位性を考えた。だが,自分はすでに大学院進学が決まっている身分だ。だから,今の制約条件の中で選ばなかったリスクを最小化するためにはどうすればよいか,というところからキャリアについての考えが始まった。

英語ができないことは何ら壁にはならない。(もちろん苦労はするだろうが)そして,語学ができるようになるのを待ってから行動していたのでは何も始まらない,ということをVulcanusプログラムから学んだ。


渡米して最初に思ったこと(4) - 石橋を叩けば渡れない - ニューロサイエンスとマーケティングの間 - Being between Neuroscience and Marketing

「勇気が自信に先行し、経験が勇気を作ります」


皆が入る道をあえて避けることが,実はリスクを回避することになるんだよ,と。若いうちに選択しないというリスクを。


選ばないリスクというのは思った以上に大きい。


渡米して最初に思ったこと(3) - 若さとリスク

若者にはリスクがないという人がいる。確かに、持っているもの(主として家族と地位)の大きさからみたら大人の決断におけるリスクの方が若いときのそれに比べ、大きく見えるかも知れない。しかし、残された人生の長さとそこに与える影響を考えると若いときの方が、どうなるか分からない度合いが高く、リスクは大きいのではないか。若いだけに取り返しがつかないほど人生が変わってしまうと言うことがあり得る。

そして,みなと同じ方向を向き,その道の上を少しだけ早いスピードで駆け抜けたとしても,それは競争優位にはならない。早さで競ったところで,上には上がいる。そして,その道の先には渋滞が待っているからだ。


青年よ、狭き門より入れ
「狭き門より、入れ。滅びにいたる門は大きく、その道は広い。そして、そこから入っていくものが多い。命にいたる門は狭く、その道は細い。そして、それを見出すものは少ない」(マタイによる福音書第七章)


では,どうすればよいか。人とは違う環境に自分をおけばよいのだ。社会に出て働く5年間よりも,大学院進学の3年間で得るもののほうが多いように行動しよう,というのが行動の基準になった。


厳しい制約は,それをクリアできるだけの力を自分が持っているか,という評価基準になる。いかに最小のInputで最大のOutputを出すかということを意識しながら,博士として求められている要件を満たすための成果を出す。そのためには,自分の時間こそが唯一の資源だ。



グーグルに淘汰されない知的生産術

「組織ではなく時間の勝負になる」

「世界観、ビジョン、仕事、挑戦――個として強く生きるには」講演録(JTPAシリコンバレー・ツアー2008年3月6日)

(2) 戦略性――自分の時間の使い方は正しいか


時間の使い方,そして,世界中どこにいても勝負できるだけの問題発見能力と問題解決能力を身につけことができるかどうかが25歳までの環境を選ぶ基準の一つ。4月からの研究環境では,ロールモデルにできる能力の高く経験の豊富なから指導を受けることがでる。


流鏑馬を5日でマスターできるか? エキストリーム・ライフハックの簡単な3つのルール

できないことはない。要はやり方次第だと。


あなたも「天才」になれる? 10000 時間積み上げの法則

そして,3年間平日一日11時間ずつ積み上げれば何かをなすことができる。


もちろん,やりたいことは学業だけではない。

「精緻なMBAカリキュラム」“自家製”の勧め

そのためには,何かをやめること,見直すこと。フォーカスすること。


『スティーブ・ジョブズの流儀』 能力と勇気をもって無駄を取り除く

「普通はついているモノ」の中から、真の目的とてらして「実は無駄なモノ」を見つけ、取り除くということは、能力と勇気が求められる。100ページの資料を作成するのは頑張れば誰にでもできることであるが、1ページにそれをまとめあげることは誰にでもできることではない。足すことに優先順位付けは必要ないが、引くにあたってはクリアに優先順位が定義されてないといけないからだ。

フォーカスとは、他人がみんなイエスと言っているときに自信をもってノーと言うことでもある。


と同時に,不連続な点を持ち続けることだ。


スティーブ・ジョブズの感動スピーチ(翻訳)

もちろん大学にいた頃の私には、まだそんな先々のことまで読んで点と点を繋げてみることなんてできませんでしたよ。だけど10年後振り返ってみると、これほどまたハッキリクッキリ見えることもないわけで、そこなんだよね。もう一度言います。未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。結果、人と違う道を行くことになってもそれは同じ。信じることで全てのことは、間違いなく変わるんです。



人との出会い、不連続な成長が作るキャリアパス

人との出会いが成長を促すということ

学生であることのメリットは比較的時間の融通が利くことだ。となると,不連続な成長をもたらす人との出会いを求められる時間と厳しい制約が同居する環境こそが一番お得なのではないか。

出会いを求めて行動し続けよう。体験し続けよう。そして,修正し続けよう。



最後に
悩まない。悩んでいる暇があれば考える

ということを忘れずに3年間を過ごしていきたい。

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