プレゼンの訓練としてのプレゼンテーションのモジュール化のすすめ

日本の大学では,プレゼンテーションの教育を受ける機会が少ない.初めてプレゼンテーションをするのが,卒業研究の発表だという人も少なくないだろう.そういう人を対象として,論理的プレゼンテーション力を鍛えるためのプレゼンテーションモジュールのすすめについて考えてみた.(ただし,自分は両手で数えられるほど,しかも偏った分野でしかプレゼンを作成したことがないので,これが最適解とは断言できない.ただ,プレゼンテーションモジュールという考え方は便利に使えるのではないだろうか.)

プレゼンテーションモジュールとはスライドの型をあらかじめ指定しておき,それに言いたいことをあてはめていけばプレゼンテーションが完成するという,パワーポイントのファイルのことだ.

モジュールという考え方は,プレゼンを作成する人の頭の中には無意識に存在している.だが,それを明示的にスライドの形にまで落とし込むことで,プレゼン作成に要する時間を短縮できる.

プレゼンテーションには正解がなく,いかようにも素晴らしい発表を作り上げることができる.だが,プレゼンテーションを作成している時間は,何ら価値を付加していない.そこで,作成にかかる時間をできるだけ減らし,必要最低限のことが伝わればよいとする.この場合,研究発表などで行われる「内容が伝わればよい」というプレゼンを対象としている.

プレゼンテーションを式にしてみると,以下のように表せる.
I(impression) = P(presentation) × R(research)
I(impression): 観客の印象
P(presentation): プレゼンテーションの技術 ( 0 < P < 1とする)
R(research): 研究内容
プレゼンテーションモジュールを利用し,Pが1に近いプレゼンを短時間で作成することが目標となる.「内容が伝わればよい」ので,Pを1以上にすることは求めない.


それでは,日本的な研究発表を例にとって,モジュールの構成を説明する.ただし,場面によって求められる順序が異なる場合があり,その場合はモジュールの順序を変える必要がある.例えば,前提と背景を共有しているゼミなどでは,まず結果を伝えることが求められるので,主張を先に持ってくることが必要である.

大枠の流れとしては,以下の5段階である.
1.背景・目的・問題
2.目次
3.手段・方法
4.結果
5.考察・主張

以下に例として自分のプレゼンテーションモジュール(仮)を張り付けてみた.
これは完成度10%なので,更新が必要だが.