梅田望夫[2007]ウェブ時代をゆく

【概要】
ウェブ進化論の著者である梅田望夫さんが,ネットのあちら側で起こっていることに対応して,ネットのこちら側でどのように生きていけばよいのかのヒントを書かれたもの

【一言】
Only the paranoid survive
Entrepreneurship
Vantage point
The only way to do great work is to love what you do
この4つの言葉を,心に刻みたい.

まだ,何ができるかを考えるには早い.何をしたいか,そして,今何をするか,にかかっている.この気持ちを一生持ち続けられれば.

【引用】
p.29 ネットの進化と脳の可能性
人には5感があるが,実は脳は可塑的で,高次知覚ではそもそも幻想と現実の区別などない.ネットという突如として眼前に広がった「世界」に対してのみ有効な「第六感」を発達させる,長い長い進化の途についたのだ,と考えることができる.
島健太郎(インフォテリアUSA社長)

p.42 根拠のなさがビジネスチャンス
検索エンジンの構築過程で,グーグルは「広告費の価格設定における「根拠のなさ」」というビジネス上の大鉱脈にぶち当たった.

(組織の設計も,根拠のなさが支配する領域ではないか)

p.86 一日5分の世界中の人の善意をあつめて世の中を良くしよう

p.93 けものみち適合度チェックリスト
以下に当てはまらない人がけもの道に向いている.
・自分の生活や時間の使い方を他者によって規定される配属転換などを,「未知との遭遇」として楽しめる
・課題が難しければ難しいほど面白いと思える
・Whatや誰と働くか,への好き嫌いのこだわりがあまりない.苦手を克服することを好む
・新しいルールが与えられたとき,そのルールの意味を習得し,その世界で勝つことにまい進することに興味を持つ
・チームプレイヤーである
・長期の組織へのコミットメントをいとわず,それを支える持久的体力を持つ
・使命感のほうが,この志向性よりも優先される

p.96
Only the paranoid survive
Entrepreneurship
Vantage point

p. 98 偉大な仕事をする唯一の方法はあなたがすることを愛することだ
The only way to do great work is to love what you do
Steave Jobs

p.105 500枚入る名刺ホルダー
自分が組織を離れたときに,自分の能力に正当な対価を払ってくれそうな人のtop500を常にリストに挙げておく

p.143 戦略とはやめることを決めること
時間の使い方の優先順位を変えるためには,まずやめることを決めること

p.166 文系のオープンソースの可能性
志向性の共同体が,群衆の叡智を用いて,リアル世界の問題を解決するプラットフォーム

p.194 自らの内部にカサンドラを持て
Only the paranoid survive

p.208 助言とは
心がけ次第で明日からでも実行ができ,実行した以上必ず実益がある,そういう言葉を,本当の助言というのである(119ページ)
小林秀雄『作家志願者への助言』

p.234 海辺のカフカ
君はただの吸い取り紙になるんだ.何を残してなにを捨てるかは,後になってから決めればいいんだから.