無知の知−「何のために?」で「ここまで知ればいい」を定義する

ゼネラリストにとって,組織のすべての人よりも,あらゆる情報について,その細部までを知ることが困難になった現在,ある分野についてどこまで知ればよいかを定める力は重要だ。例えば,話の内容を理解できる,現段階で実現可能なことと不可能なことが判断できる,競合する技術との差異化部分のメリット・デメリットが理解できる,技術の発展の方向から数年後に実現可能なことが予測できる,など様々な知識のレベルがある。どこまでの知識を得ればよいのかを定義するのが,目的意識だ。「何のために知識を取得するのか」を明らかにすることで,どこまで深掘りすればよいかが明らかになる。

梅田望夫さんがグーグルに淘汰されない知的生産術の中でグーグルに淘汰されない情報空間を作る際には,情報の「肝」以外は捨てることが必要だ,と述べられている。すぐに手段が目的化しがちな自分は,情報の活用目的を考えて「肝」を設定することも大切だ,ということも忘れずにいたい。