分業の効果とHRMの課題―全体の20%の人しか満足する仕事を与えられていない

人の文明が劇的に進歩しだしたのは,分業が始まってからだ。

『さあ、才能に目覚めよう』(マーカス・バッキンガム著:日本経済新聞社)によると,101の企業に勤める1700万人以上の従業員に「最も得意な仕事をする機会に毎日恵まれているか」というアンケートを行ったが,「恵まれている」と答えた従業員の割合は、なんと20%程度だったらしい。(直接この本を読んだわけではないので,未確認情報です)


なぜ分業がうまくいかないのかについて,仕組み・管理者・被管理者(一般社員)の3つの視点から考えてみたい。
・仕組み:組織の求める要員は限られている
・管理者:社員の強みを把握しきれない→うまく配置できない
・被管理者:自身の強みを把握しきれない→うまくアピールできない

要するに,HRM (Human Resource Management)の課題は以下の2つの問いに集約されるのではないか。
・いかに個々人の強みを明らかにするか
・明らかになった強みを元に,制約条件の中でいかに人員を配置するか

もちろん,組織論という大きなくくりで見ると,組織内の情報の流れなど,他の要素を考慮する必要があるだろう。だが,HRMを勉強し始めるときは,この2つの問いを心において読んでみたい。