人をシステムとして見ることの難しさ-好きなものは後に残す派?

前提
満腹度に比例して,好きなものを食べたときの満足度が減退する

好きなものを後で残しておく場合と好きなものを始めに食べる場合の,満足度の総和を比べる.

1番目に食べると満足度に,倍率1倍,2番目に食べると倍率0.5倍がかけられる.
好きなものAは満足度100を持つ.好きなものBは満足度10を持つ.

(1) ABのとき,満足度の総和:100×1+10×0.5=105
(2) BAのとき,満足度の総和:10×1+100×0.5=60

よって,(1)の方が合理的だ.だが,人は必ずしもそのように行動するとは限らない.
その原因は,AとBの持つ満足度の大きさが仮定と異なる,あるいは,1番目の価値と2番目の価値がことなるからだとみなすことができる.

人をシステムとしてみる場合には,前提が間違っている,単純化の度が過ぎている場合に,こういった間違った解釈を与えてしまう可能性を秘めている.これは要素分解不可能性,つまり細かく分けていくと,各々の持つ要素の全体における意味が失われてしまうことにも通じる.