DCF (Discount Capacity Flow)で能力を比べることに意味はあるのか

DCF一般的に,会計の分野で使われているDiscount Cash Flowのこととして使われる.投資プロジェクトの価値を算出する際に,貨幣の時間価値を考慮したものだ.時間価値とは,将来のお金は,現在のお金に比べて価値が低いとするもので,たとえば年率10%の割引といった形で使用される.

自身の能力を年齢の違う人と比べる際には,貨幣と同様に能力の時間価値を考慮する必要があるだろう.この方法をDiscount Capacity Flowとしよう.

ある分野における能力は以下に示す様な曲線をとるとする.X年まで,能力は伸び続け,それ以降は停滞する.Xの値は,自身がどれだけ「成長する」能力を持っているかにかよる.



例えば,X年までの成長率を年率で見積もれば,自身が尊敬する人の領域に達することができるかおおよそ判断できるだろう.そうした視点で比べることで,現在の自分の力の卑小さを客観的に見ることができる.

また,能力を伸ばす方法としては,年率の成長率を上げるだけでなく,限界値を高める,つまり成長し続けられる期間を長くするという方法があることが分かる.

しかし,この方法は根本的な欠陥を抱えている.これは結局,同年代の間での比較しか考慮していない.学生という身分ならまだしも,社会に出れば年齢は関係なく,すべての年代の人と切磋琢磨する必要がある.

尊敬する人との圧倒的能力差をこういった方法で客観的に把握することもよいが,結局は自分市場を見定め,(参考:自分市場のセグメントの切り方)その中で年齢に関係なく切磋琢磨しあうしかないのだ.同年代で勝負するという視野狭窄に陥らずに,常に謙虚にいるように心がけたい.