冷房病:人間とエアコンの協調

もう,夏の夜の寝苦しさにさいなまれることも少なくなったが,熱帯夜,夜寝るときにクーラーをつけていると,朝起きた時に体調が悪い.冷房病の一種だろう.

これほど技術が進歩した世の中で,冷房病が無くならないのはなぜか.技術的に解決できない問題ではないはずだ.

原因は,人の側にある.クーラーに指示する温度が不適切なのだ.これは人間と機械がうまく協調できないことにより生じる.現在の仕様では,人が,何度にすれば快適なのかということを理解できないと同時に,クーラーが状況に応じて勝手に温度を変えることも許されていない.

クーラーと人間が協調できれば,例えば冷房を夜寝る前に25度に設定しようと思っても,「寝冷えするから28度にしときなさい.最初は熱く感じるかもしれないけど,そのうち寝つけますよ.」といったやりとりが生じる.

具体的には,室内にいる人の体表面の温度をクーラーなしのときと比べ,冷えすぎていないかを監視し,その状態をフィードバックして適宜温度を調節するようにすればよい.そして,その結果を朝起きた時に伝え,その人にあった温度はいくらなのかを教えてあげればよい.

クーラーを例に挙げたが,身の回りでは,そうした人間と機械の協調が必要とされている例がまだまだたくさんありそうだ.