モチベーションと成果

モチベーションと成果の関係について,二つの視点から動画と記事を最近読んだので,紹介する.

一つ目の視点は,報酬によるモチベーションと成果の関係だ.心理学実験によって,これをしたらあれをもらえるという動機付けは,ルーティーンな作業にしか有効ではないと示されている.報酬によって動機付けするのではなく,やりがいや貢献による自己実現感を与えることで,人を巻き込んでいくべきだと述べる.

二つ目の視点は,気分によるモチベーションと成果の関係だ.ポジティブな心持で取り組んだ方が,よりよい成果が生まれると述べている.

科学的に正しいか,自身はないが,一つ目と,二つ目は,実は同じことを指摘していると感じる.達成した事後の報酬ではなく,達成すること自体,あるいはその事前の報酬,が取り組む意欲を向上させ,成果を向上させることができるということだ.

例えば,シンガーソングライターは,心の底から歌が作りたくて仕方がないのだろうし,手塚治虫は漫画を描くべき漫画のストーリーが頭の中から生まれてきて仕方がないのだろう.

また,達成すること自体がモチベーションになると,成功報酬がある場合と違い,第1稿ができた後の推敲にも注力しやすくなるのではないだろうか.古の木登り名人が行っていたように,地に足をつける直前が一番怪我をしやすい.そして,事を為すためには,概して最後まで気を抜かずに,仕事を仕上げる必要がある.

翻って,今の自分は,できないことが余りにも多すぎる.それに気付いているということは,改善の余地があるのだと考えを改め,具体的な改善を伴う努力を続けようと,心持ちを新たにした.


●報酬によるモチベーションと成果の関係
動画(TED: 18分37秒)
解説記事(英文)
日本語訳


●気分(ポジティブ/ネガティブ)によるモチベーションと成果の関係

たとえば、テストを受ける前に簡単な算数の問題を解いて正解をとった人のほうが、難しい「模試」を受けて打ちのめされたあとの人よりも統計的に有意に良い成績をとる傾向があるという話があります。

二つのグループの間で違うのは試験に臨むときの態度だけです。注目したいのは、どんなに試験が難しく、客観的事実は自分にとってシビアであったとしても、そうした不安を一時的に保留にした方が成績が良くなるという点です。ポジティブに考えたからうまくいったのではなく、ネガティブなことを打ち消したから、うまくいったというのが本当のところだというわけです。
『ネガティブに状況を把握し、ポジティブに行動する』Lifehacking.jp