マラソンは次の角を見て走る

そういえば,去年の今頃は,アルプスに登って,バルト三国ポーランドに旅行して,バカンス三昧だった.ベルリンマラソンを走ったのは10月頃だったか.

はじめてのマラソンの経験は人生観を変えた.苦行にも似た行程を沿道の応援を受けつつ,他のランナーに刺激をうけつつ,走り切ったという達成感が一番大きい.

苦行といえば,はや25kmあたりから,全身の筋肉が悲鳴を上げ始めた.特に,太ももの前の筋肉は,足が地面に接触する時の衝撃だけで痛みが走った.そんな苦行としか言えない状況で走るときに,一つだけ気をつけていたことがある.

それは,走り続けないことだ.目標はゴールにたどり着くことだ.頑張りすぎて,途中で倒れてしまい,結局ゴールにたどり着けないという事態だけはどうしても避けたい.(ちなみに,今の生活はそんなことも言っておられない状況だが.)

もう一つ,先週気づいたことがある.マラソンを走るときは,次の角を目指して走っていた,ということだ.42.195Kmを走るという壮大なゴールは人生に良く例えられるが,その大目的を,「次の角まで」という小さな目標に分解することで,長い道のりを走り切ることができたと思う.

「次の角まで」という目標は,精神的にもいいものだった.曲がり角を超えると景色が変わり,少しではあるが体の疲労を飛ばしてくれるように感じた.きっと,人生においても,マラソンのゴールという大きな目的と,次の曲がり角という小さな目標を両方持つことが大事なのだろう.