Vulcanus

マラソンは次の角を見て走る

そういえば,去年の今頃は,アルプスに登って,バルト三国とポーランドに旅行して,バカンス三昧だった.ベルリンマラソンを走ったのは10月頃だったか.はじめてのマラソンの経験は人生観を変えた.苦行にも似た行程を沿道の応援を受けつつ,他のランナーに…

Vulcanusでしたこと(DO)

まず8月は現場で実際に働いてみた。5Sや見える化の不足部分の改善プロセスを考えつつ,週一回のミーティングンをオーガナイズした。10月の中間報告会までは,パレットセットアップ部門の細かい改善に終始した。実際には,目的とそれを達成するための道筋を自…

新規ラインの設計−社長の前で話をする

3月の第1週目は,顧客の新規のオーダーを獲得するための生産プランのプレゼンのために,新規組み立てプロセスを設計した.二人チームで作業したのだが,その際には,生産予定機の設計図を基に必要労働力を計算し,リードタイム,マテリアルフローを含めてプ…

チャレンジが限界を広げる−保険としての一つの選択肢の役割

去年の6月のことになるが,トルコ旅行の帰りにバスがなくなって,空港まで帰れなくなる事態に陥りました.金を払えばタクシーで帰れたのですが,現地民に話しかけられて,循環ナイトバスでとりあえず空港の近くまで行ってみることにしました.英語も通じない…

Vulcanus Review−学んだこと,失敗したこと,貢献したこと

学んだこと ・現場を知ることの大切さ:現場体験をした時に ・人を巻き込むことの難しさ:ワークショップで人を組織するときに ・継続的文化を作り上げることの難しさ:5Sワークショップを継続させるときに失敗したこと ・大きな失敗すらできないくらい,自…

ビザが無いから強制退去?

【経緯】 1.渡航前の情報 基本的にはオーストリアはカレンダーイヤーに(1月から12月の間までに)6か月以上滞在しない場合はビザが必要ない.しかし現地の担当官によって対応が違うので,現地で確認することが必要.2.オーストリア着(8月) 8月5日に住民…

Vulcanus派遣候補生へのメッセージ

もしかしたらVulcanus09年生が見ているかもしてないと思い,つらつらと書いてみました。【まえがき】 Vulcanus09年生のみなさんへのメッセージを書く前に一言。私は偉そうにメッセージを言えるだけの経験をこの一年間でできたとも思っていないし,伝えたいこ…

言語ができたらもっと働けるのにという言い訳

今更だが,ドイツ語ができたらもっと働けるのにという反省の感情が自分の中に湧きあがっている。だが将来ドイツ語はほとんど必要ないだろうと思って自分が必要だと思う以上には努力をしなかった。それは,怠けと言えるかもしれないが,一番の原因は自分の認…

Vulcanusに応募した動機−達成度を評価する

自分がVulcanusプログラムに応募した動機は3つある。 1.打たれ弱さを克服してタフになること 2.視野を広げること 3.今の自分の価値を生み出す力を把握すること1.打たれ弱さを克服 自分以外に頼るものがない環境で,難しい課題にチャレンジし,あるいは追…

文化の違い−ドイツ・オーストリアと他のヨーロッパの国々

ドイツ人は握手,フランス人はほっぺた同士でキス?といった違いや,ボディータッチの多さ,パーソナルスペースが小さいのか話をする時に距離が近い,など文化的な違いが日常の行動の違いに現れることは多い。だが,当たり前だが,ステレオタイプといったイ…

働く文化の違い−オーストリアと日本

ワーキングスタイルは会社によって違うので一概には言えないが,ヨーロッパの企業では地位が上になるほど就業時間が長くなる傾向にあるようだ。これはルノーで働いている方が言っていたのだが,新人は日本のほうが働き,中堅は同じくらいの時間,トップのCEO…

グローカルな体験−真のグローバルな体験は次の課題

インターン先の企業は,オーストリア資本の中小企業で,オフィスで働いている人はみんなオーストリア人だ。工場で働いている人の中には,少ないながらも,ベトナム人,ボスニア人,中国人,スロベニア人,クロアチア人,などがいる。でも,結局ここでの体験…

いいタイミングの報告と相談−それぞれの企業のやり方を学ぶこと

インターン先ではあまりメールを使ったコミュニケーションをしない。主に電話か口頭での伝達だ。そこでは,上司にいかに時間を確保してもらうかが大事になる。いつも忙しそうな上司の暇そうな時をねらって,いやな顔をされないように相手の仕事の進み具合と…

人を相手に仕事をすること

『噛みしめることを大切にしよう』ニューロサイエンスとマーケティングの間 この何年か、頭は良いのだが、反応が極めてデジタルで、深みがないというか、心にしみる感じのない人(特に若い人)にときたま出会う。全てのことを単なる表層的な情報としてそのま…

上司の条件―感情に左右されない

気分がいい時も悪い時も,忙しくても暇があっても,上司は部下に対しては一貫した態度を取ることが必要だ。今の上司は,感情のコントロールはうまいが,優先順位のコントロールはあまり得意ではないようだ。逆に,自分はモチベーションの波が大きい。それぞ…

問題を予測する難しさ−なぜ質問が来る前にQ&A集を作ろうと思わなかったのか

将来起こりうるであろう問題を予測し,予防する力をつけるためには,その状況を頭の中で仮設し,シナリオを想定する力が必要だ。(WAP阿部さんのお話より)問題を予測できない原因は ・シナリオ想定力,状況の仮設力が不足している場合 ・問題を予測しようと…

会社の現状−PDCAのフィードバックが足りない

継続的改善の風土がない。それをPDCAサイクルに当てはめて考えてみると,フィードバックの部分(CheckとAction)がないということだ。何か新しいことをやると,やりっぱなしにして次の活動へ活かせない。例えば,現場に浸透せずに立ち消えになった活動について…

トイレのきれいさがその会社の生産性を表す

昔,何かの講演会でこの話を聞いた。その人が言うには,「つぶれる会社はトイレが汚い」という話だったが,この話は工場の生産性にも拡張できるのではないか。 トイレがその会社の(工場の)生産性を表す理由は ・客が入らないところで ・すぐに汚くなりうる…

5Sから継続的改善風土を生み出す

5S(ゴエス)とは、製造業やサービス業などの職場環境維持改善で用いられるスローガンである。各職場において徹底されるべき事項で、整理・整頓・清掃・清潔・躾(習慣化の場合もある)の5項目を指す。 ウィキペディア(Wikipedia) こちらのマネージャーは…

当たり前の怖さは気付かないところ

当たり前という状態は,バイアス,先入観,慣れという状態と同じ危険性がある。それは当たり前化してしまったものが,当たり前になっていると気付けないことだ。慣れる,当たり前になるということは物事を処理するコストを減らす,ストレスを減らすという点…

Workshopの気づき−議論が錯綜するのはどの言語でも同じ

ワークショップで議論をする際に,問題の原因をまず列挙しようと話し合っているはずなのに,いつの間にかその解決策について話し合っていることがよくある。今は問題を列挙する,次に,軸を見つけて整理する,整理したら漏れがないか確認し,解決策について…

見える化−新しい指標を導入する際には,何かをやめること

何か新しい指標を工場内に導入するときは今までやっていたことのうち,どれかをやめること。そうしないと,いくらシンプルに改善と直結した指標だけを用いていても,工場内が見える化したグラフや数字だけが蔓延し,どれがキーファクターなのかがわからなく…

底辺からのエンパワーメントできず−4か月働いてみて

「自分の本当の力を知るためには,所属する会社や地位といった権力のない位置で,人をエンパワーメントしてみればよい。」WAPという会社でインターンをしたときに,COOの阿部さんがおっしゃっていた言葉だ。今自分はインターン生という立場で,地位や権威が…

知的生産のネックになる遅さ―「ものづくり」に携わるということ

モノを扱うと,次の2点で思考に対する行動の遅さが発生する。 ・変化を起こしてからフィードバックを行うまでにかなり時間がかかる ・現場のおっちゃんは結構気難しいもし,自分が工場で働くということをしなかったら,この2つを体感できなかっただろう。も…

オーストリア人の上司と議論する際に気をつけていること−準備と1回1テーマ

忙しい上司と議論する際に気をつけることは,一度に一テーマについてだけ話すということ。話の焦点をぶらさずに,短時間で求める解答を得やすい。その際には,相談なのか,許可を求めるのか, 報告なのか,自分のしたいことを一番初めに相手に伝えること。相…

理不尽だと感じること−相手にとっては理由があり,自分にも原因がある

工場内で,「そんなことやってられるか」,「君の勝手にすれば」,あるいはもっと間接的に「僕にとってはどっちでもいいことだよ」と,こちらが一生懸命説明していることに対して,一言で一蹴されることがよくある。自分にとっては理不尽だと思えるが,実は…

会社組織の縦割り化の弊害

ヴルカヌスプログラムで今お世話になっている会社は工場を複数個所に持っていて,自分はそのうちの1つで働いている。ここでは,工場が工作機械の種類別にホール1とホール2にわかれている。 最近,ホール1とホール2ではオペレーターの文化が違うと感じるよう…